文 = 荒井孝太(チャンスメイト 代表取締役)
各種の調査結果が、遊技人口の下げ止まりが見られるようなデータを報告しています。もちろん、遊技業界はかなり厳しい状況にあることには変わりはないのですが、スマート遊技機の台頭に改刷対応等々における大幅な設備投資もある程度落ち着きを見せています。
パチスロは絶好調とは言わないまでもスペック性能面でも高止まり傾向が続き、ユーザー側においても概ね好意的にとらえられているということが、データから見てとれます。その一方で、ぱちんこに関してはLT3.0プラスが大々的に導入されたにも関わらず、まだ復調の兆しは見えてこないどころか、昨年のLT3.0プラス疲れ的なモノがデータに表れているように感じます。ホール側においても、「今しばらくぱちんこは難しい」といったマインドにあるように感じます。
その理由に関しては、「さまざまな要因が複合的に重なっていて起こっている」というのが実際のところですが、大きな要因は、「ぱちんことパチスロのスペック性能の違い」だと思っています。まず、ぱちんことパチスロでは、試行回数(ゲーム数消化)に圧倒的な違いがあります。ぱちんこは、どう頑張っても1分間に100発しか玉を飛ばすことができず、通常のへそサイズの機械であればSは5.5前後で推移しております。
一方で、パチスロはユーザーの打ち方にもよりますが、フルウェイトで回すことができれば、1分間にぱちんこの3倍近く回すことが可能となります。これは、機械における出玉性能が高くなれば高くなるほど、出玉の吸い込みや吐き出しの差が大きくなるため、試行回数が多くなればなるほど安定しやすい。すなわちパチスロの方が想定出玉率に収束しやすい傾向がある。そのため、ホール側がぱちんことパチスロを、同じ出玉率想定で運用したとしても、パチスロの方が勝率的に安定しやすい側面があり、結果としてそれがユーザーに伝わりやすいということにつながります。
逆に言えば、ぱちんこは伝わりにくい。そういう性能面を持つからこそ、厳しい運用で一定期間利益を稼いだとしても、ユーザー側に伝わりにくいといった傾向を持ちます。そのため、ぱちんこのユーザーはパチスロに比べて集客に非常に苦労するけども、少々のことでは離反しにくいという特徴を持つことになります。
今現在、消極的な手法ではありますが、こういった性能面だからこそ、「ぱちんこで利益を稼ぎ、パチスロを上手く活用して集客を行う」がスタンダードな営業手法になっている印象があります。これこそが、今のぱちんこ苦戦の大きな要因と考えることができます。
パチスロのユーザーは各種イベントや設定投入状況にも非常に敏感であり、さまざまなデータやツール等を使い、日々ホールの状況を観察していますので、ホール側も非常に気を遣うことが多いはずです。逆に言えばそのような状況を上手く活用し、集客の一助にしている敏腕店長が少なくないとは思います。
問題なのは、この状況においてぱちんこがその犠牲になっているホールも少なからず存在するということです。ぱちんこに関しては上記事情からも問題が表面化しにくい。そのままの状態を放置すると、気が付いた時には大きな問題となって、表面化したときにはもう取り返しのつかない状況になっている、といったことも起こります。そうなれば、いくら良いスペックを持つぱちんこ台が揃ったとしても、後の祭りです。
ぱちんこ、パチスロはそれぞれ性能面に大きな違いを持ち、それぞれにメリットとデメリットが存在します。その性能を十分に理解した上で、適切な営業戦略を練っていただければ必ず状況は好転するというように私は考えます。


