日本遊技関連事業協会(日遊協)は6月15日、通常総会を開催した。冒頭の挨拶に立った西村拓郎会長は、パチンコ業界における遊技のキャッシュレス化システム構築にあたり、IT大手のGMOグループから全面的な協力を得られることになったと発表した。
西村会長は当日の午前中に、GMOグループの熊谷正寿代表および決済代行大手のGMOペイメントゲートウェイの担当者と会談したことを報告。熊谷代表の実家は都内でパチンコ店を営んでいた縁もあり、西村会長とは旧知の間柄。熊谷代表からの「パチンコ業界に恩返しができるなら、グループをあげて協力する」との意向と、2027年12月末までにシステムを完結させるという確約を得たとし、これを業界における最大の朗報としてこの日で初めて公表した。
現在、パチンコ業界は主要な各種決済サービスから接続を拒絶されている厳しい現状がある。西村会長は、「まず、我々の業界が拒絶されているという現実を業界全体が認識すべき」と強調した上で、依存症対策になり得ることに加えて、事業者に運営コスト削減やファン拡大などのメリットもあることを説明した。
西村会長は年初の臨時社員総会より、機会あるごとに「実効性のある依存症対策になり得る」と繰り返してきた。キャッシュレス化の仕組みを導入することで、ユーザー自身がスマートフォン上でイン(投資額)とアウト(回収額)をリアルタイムで確認できるようになる。さらに、自己申告プログラムや家族申告プログラムと連携させ、個人の経済状況に合わせた利用上限額の手元設定が技術的に可能となる。これは警察庁が要請する、「依存症対策へのデジタル技術の活用」にも沿う。
事業者にとっては、店舗での現金取り扱いが減少することで、将来的には運営コストの削減と生産性向上、セキュリティリスクの低減というメリットがある。
若年層・ライトユーザーを中心とした遊技機会の拡大も期待できる。西村会長は現金でしか遊べない現状を、かねてより「ガラパゴス化して取り残されている」と表現してきた。「これは、ユーザーにATMで現金を下ろさせるという『目に見えないコスト(手間の負担)』を強いていること。この状況を断ち切る必要がある」と説明した。
また、「現金決済では高額紙幣の投入に繋がりやすいが、スマートな電子決済が導入されれば、数千円で手軽に短時間遊ぶライトユーザー(ちょいパチ)の開拓が可能になる」という可能性にも言及した。
一部で懸念されているホール側の設備投資コストについては、「利便性の向上によるファン拡大に直接繋がるため、設備投資は早期かつ簡単に回収できる計算だ」と指摘。過去のCR機導入時のように「設備を入れなければ遊技機自体が設置できない」という性質の投資とは根本的に異なるとの見解を示した。
任期満了による役員改選では西村会長を再選した。

新役員は下記の通り。(敬称略)
会長:西村拓郎
副会長:飯塚邦晴、榎本善紀、大久保正博、金光淳用、小林友也、高谷厚之、中村昌勇、韓 裕、福山裕治
専務理事:石田勝彦
常務理事:浜田昭文
退任した御手洗伸太郎氏の後任として、石田勝彦氏が専務理事に就任した。石田専務理事は昭和37年11月生まれ。昭和61年3月、東京大学法学部卒。鳥取県警察本部長、福島県警察本部長、広島県警察本部長、公安調査庁調査第一部長などを務めた。

