人口減少は均質ではない──。では、人口が減るとパチンコ店も減るのか?

先月末、総務省から「令和7年国勢調査 人口等基本集計」が公表された。これによると、2025年10月時点における日本人の総人口は1億2,297万2,528人で、このうち日本人は1億1,913万1,935人。日本人人口は5年前の2020年調査(1億2,154万1千人)と比較して約2.0%(約241万人)減少している。ただし、人口減少は日本全国で均質に進んでいるわけではなく、人口減少スピードは地域ごとに全く異なることに留意が必要だ。

そして、パチンコ業界の基盤である各地域の店舗数や遊技機設置台数は、この人口動態とどのように連動しているのだろうか。警察庁生活安全局保安課のデータ(2020年12月末と2025年12月末の比較)と国勢調査の日本人人口データを突き合わせると、意外な構造が見えてくる。  

パチンコ・パチスロの主要なプレイヤー層である日本人の成人現役人口(18歳〜64歳)の5年間の増減と、各都道府県の遊技機設置台数の推移を検証すると、意外にも「人口が減った地域ほど台数が減っているわけではない」ことが分かる。※外国人の留学生や技能実習生によるパチンコ消費はごく限定的であるため、「国籍総数」ではなく「日本人」の人口数値で考察している。

成人現役人口の増減傾向を見ると、地域ごとの二極化が極めて鮮明だ。例えば、この5年間で成人現役人口が微増または維持された地域としては、東京都(3.6%増)、大阪府(3.1%増)、福岡県(1.9%増)などの大都市圏が挙げられる。18歳~29歳の若年層に限ってみれば、これら大都市圏では7~5%も増えている。その一方で、秋田県(9.7%減)、青森県(8.7%減)、山形県(8.3%減)などの地方圏で急激な減少が進行している。

しかし、遊技機設置台数の推移に目を向けると、人口動態とは異なる変化が見える。5年間で遊技機設置台数があまり減らなかった(減少率が相対的に低かった)地域としては香川県(7.1%減)、福島県(8.6%減)、富山県(11.2%減)などが挙げられる。その一方、設置台数が大きく減った地域の上位は神奈川県(35.4%減)と東京都(27.1%減)だ。

人口が維持・増加している大都市圏であっても、パチンコホール営業が安泰というわけではない。他レジャーとの競合、地価の高騰、人件費の高騰に加え、大都市圏ならではの「より収益性の高い他業態への転換や資産入替」という選択肢の多さも、店舗減少の一因なのではないか。

[備考]
日本の人口を「国籍総数(すべての国籍の人の集計)」で見た場合、特に「令和2年国勢調査」(2020年10月調査)の数字に注意する必要がある。この時期はコロナ禍初期であり、外国人の留学生や技能実習生が帰国し、新たな入国も規制されていため、外国人の若年人口が一時的に減少していた。そのため「国籍総数」で「令和2年国勢調査」と「令和7年国勢調査」を比較すると、過去5年間で若年層人口が非常に増えたように映ってしまう。


文=田中 剛(Answers編集長)

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
目次