自ら問い動く組織への変革|片桐真伯 平成興業 代表取締役社長 Part 2

「人生を、もっとアライブに。」新屋号ALIVEが示す未来への挑戦

片桐真伯/KATAGIRI MASANORI 株式会社 平成興業 代表取締役社長

茨城県を中心にパチンコホール14店舗を展開する平成興業は、長年親しまれた「ZENT」から「ALIVE」へと屋号を変更し、新たな一歩を踏み出している。2023年2月に代表取締役社長に就任した片桐真伯氏は、創業者の孫にあたる若き経営者だ。就任直後から創業店の閉店という決断を下し、グループ会社の合併によるスリム化、そして社員の待遇改善や本社の組織改革を断行してきた。ライブエンターテイメントとしての遊技場の価値を信じ、新規事業への参入も見据える片桐社長に、これまでの歩みとこれからの展望を聞いた。〔文中敬称略〕

聞き手=松林孝征(パック・エックス社長)/構成・写真=田中 剛(Answers編集長)

片桐 待遇面についてはかねてより、休日数を増やし、賃金をアップしたいと考えていました。特に慶弔休暇は増やして取得しやすくしました。また、社員からの要望に応えて、単身赴任の方がご家族の元に帰るための手当てを、月2回支給するように新設しました。安心して家族を持てる、家族との時間も大切にできる会社にしていきたいと考えています。

片桐 私は傾聴を大切にしているので、お店に行って直接聞くという機会も作ってきましたが、全員の声を聞くことは難しく、直接言いにくいこともあると思います。そこで私が代表になる前年の2022年から、年に1回の「従業員満足度調査」を開始しました。「今、働きやすいですか?」「やりがい・働きがいを感じていますか?」などの意識を数値化して把握する設問に加えて、自由記述欄もあります。それを受け止め、「こうやって解決していく」と発信して、できることから実行してきました。何も変わらなかったら社員は失望するでしょう。実行しないと信頼は得られません。そして、私や会社への信頼がなければ、お客様に良いサービスは届けられないでしょう。私は「傾聴力」と共に「実行力」が重要だと考えています。

(かたぎり・まさのり)
1995年6月生まれ、茨城県水戸市出身。学習院大学法学部法学科を卒業後、ホテル運営企業を経て、2019年に平成興業に入社。2023年2月に祖父より会社を継承し代表取締役社長に就任。

片桐 昨年、本社の部署を増やしました。今まで取り組めていなかったことに取り組んでいくためでもあり、既存の業務をより細分化して整理するためでもあります。そして、若い社員にもっと活躍してほしい、いろいろな業務や立場を任せていきたい、という思いがあります。従来は、業務が属人化して、「この人だからこそ成り立っていた」という部分がありましたが、その仕事を細分化し、多様な仕事が生まれることで、社員は多様なキャリアを描けるようになります。やりたい仕事への抜擢などを通じて、社員が自然と「この会社っていいよね」と誇りを持ってほしいと願っています。

片桐 代表的なのが「広報課」です。SNSを活用した広報活動、社会への発信は、弊社のブランドを「ALIVE」に変えたタイミングだからこそ重要だと思い新設しました。このほか、サイバーセキュリティやDXに対応する部署、コンプライアンスや店舗のルールが社内全体で守られているかを見てもらうための部署などです。4県にまたがる店舗の距離感を縮めるために、店舗を超えた横断的なプロジェクトも始めています。他の拠点で働く社員と顔見知りになることで、異動した先にすでに顔見知りがいる状態になるという効果もあります。

片桐 弊社の企業理念に「新しいをもっと、楽しいをずっと。」という言葉があります。先が不透明な時代だからこそ、働く従業員にも、店舗に足を運んでくださるお客様にも、これからの人生にもっと楽しみを持ってもらいたい、という思いを込めたものです。遊技を通じた「ここでしか味わえない体験」と、「社会との繋がり」を創出することに店舗の価値があると考えています。その具体策のひとつが、全14店舗に導入している「植林ぱちんこ」です。これは、お客様の遊技が国際的な植林活動へと直結する仕組みです。環境配慮は企業の責務ですが、企業が「お客様が楽しみながら参加できるSDGs」を提供することに意味があります。遊技機や出玉といった従来の価値に加え、社会貢献という新しい価値を提供することで、パチンコホールが地域で果たせる役割を、より豊かなものにしていきたいと考えています。

片桐 営業の面においては、アミューズメントを新しい視点で捉え直し、その魅力を広げていくことが必要だと考えています。従来のパチンコホールは、出玉や遊技機というハード面が中心でした。しかし、これからは若年層やこれまで遊技に触れてこなかった方々にも響くよう、日常をクリエイティブに変える「かっこいい場所」へと進化させていくことが必要だと考えています。私たちは「人生を、もっとアライブに。」というメッセージのもと、パチンコホールを「新しい自分に出会える期待感のある場所」へと塗り替えていくつもりです。

>>> インタビュー Part 3(7月31日に公開予定) へ続く 

記事全文は業界専門誌『Answers』夏号に掲載しています。

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
目次