パチンコホール企業の給与水準はいまでも高い。しかし、かつてと比べれば他産業との差は縮まっている。その一方で休日日数は他産業と比較すると見劣りしている企業がまだ多い。
厚生労働省は今年3月、「令和6年賃金構造基本統計調査(新規学卒者の学歴別所定内給与額)」を公開した。
令和6(2024)年における初任給の全体平均( 全学歴平均)は235,200円。パック・エックスの採用・求人サービスを利用したパチンコホール企業(n=330社)における初任給(ホール一般正社員の採用時における給与提示額)の全体平均は239,200円だったので、4,000円ほどホール企業が上回っている。
学歴別に見ると表の通り、高卒平均、短大卒平均、大卒平均のいずれの学歴においてもホール企業の初任給が上回っている。

他業種企業が大幅な賃上げ パチンコホール企業に迫る
しかしながら、就職・転職支援の現場においては数年前から、パチンコホール企業と他業種とがバッティングした際に、求職者が「たいして変わらないから他業種へ」と判断するケースが増えているという。
また、上記はあくまで各産業の平均であり、優秀な人材を確保したい企業は大胆な賃上げをおこなっているので、学生の間ではその初任給がひとつの基準として認識されているかもしれない。たとえば、「モスバーガー」を運営するモスフードサービスの2024年新卒社員の初任給は24万円で、「宿泊業、飲食サービス業」の平均を上回っている。さらに賃上げを実施し、2025年の新卒社員の初任給は24万7500円に引き上げられた。ゼンショーホールディングスは2024年の新卒社員の初任給は27万8000円と全産業平均を大きく上回っていたが、2025年の初任給は3万4000円引き上げられ31万2000円になった。
ホール企業の初任給構成は図表2の通りで、全業種平均の235,200円以上となる「24万以上」の構成比はホール企業全体で52.5%だった。初任給額別の構成比が最も高いのは「24万以上~26万未満」で30.8%、次いで「22万以上~24万円未満」で27.1%。
また、企業規模(店舗数)別においては、10店舗未満232,817円、10店舗以上~20店舗未満244,506円、20店舗以上252,328円となり、企業規模が大きくなるほど給与額が高い傾向がある。
パチンコホール企業の月休数は7.7日
20代の若い求職者は、現在の居住エリアから通える範囲や居住エリアの希望が通る求人を優先する傾向が強く、「休日数など、ワークライフバランスを気にしながら、そのうえで給与がより高い勤め先に決める」といった動き方が目立っている。これに対して、パチンコホール企業の休日数はどの程度なのか。
パック・エックスの採用・求人サービスを利用したパチンコホール企業(n=330社)の月休数についても見たところ、全体平均は7.73日だった。内訳を見ると、「月休8日」が50.6%と最も多く、次いで「月休9日」17.9%。ただし、「月休7日」以下の割合がいまだ3割を占めており、「月休9日」以上は全体の2割となっている。
企業規模別では「10店舗未満企業」では7.4日、「10店舗以上~20店舗未満企業」で8.23日、「20店舗以上企業」で8.56日と、企業規模が大きくなるほど、休日数も増える傾向にある。求職者に“休日数が少ない”と感じられてしまう、「月休7日以下」のパチンコホールの割合は、企業規模が10店舗未満において最も多いという結果だった。

休日数の増加は喫緊の課題
パチンコホール企業の月休数の全体平均7.73日を年間休日数にすると92.8日となるが、厚生労働省による「令和6年就労条件総合調査」において、1企業あたりの平均年間休日総数は112.1日、これを月にすると9.34日。すなわち、月休9日がひとつの基準となると言えるだろう。
年間休日数の内訳では、月休9日以上に該当する「110日~119日」が22 % 、「120 日~ 129 日」が35.8%、「130日以上」が1.5%で、約6割を占めていた。
一方、パチンコホール企業の場合、月休9日以上の割合は先述の通り2割。要は、求職者がパチンコホール企業と他業種の求人を見て、休日数を比較した場合、見劣りすることが多く、なおかつ初任給も大きくは変わらない。これは採用においては常時、「分の悪い戦いを強いられている」と言うことになる。

ちなみに、飲食企業(積極的に予算を投じて人材確保を目指す企業)の月休数の全体平均は7.75日で、「月休9日」が23.6%、「月休10日以上」が3.8%となっており、月休9日以上の割合はパチンコホール企業よりも高い。20代求職者の思考を踏まえれば、パチンコホール企業が若年層を採用するためには休日数を増やすことが優先的かつ重要度の高い課題と言えそうだ。
年間の土日回数でいえば、2025年には104日、祝日および振替休日も含めると119日ある。これを踏まえると、月休10日、年間にして120日がほぼ『カレンダー通りの休日数』となり、“休日数が多くワークライフバランスが取れる”、と魅力的に映るようになるかもしれない。
文=パック・エックス

