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BTやLT3.0プラスに期待するのはゲーム性開発の可能性が広がること

遊技機開発者の視点
BTやLT3.0プラスに期待するのはゲーム性開発の可能性が広がること
文 = 荒井孝太(チャンスメイト 代表取締役)/text by Arai Kota

パチスロ、パチンコ共に基準変更に伴って、2025年6月にはボーナストリガー(通称BT)、2025年7月にはラッキートリガー3.0プラスが新しいスペックとしてリリースされることになります。これに対して、「これ以上、射幸性が上がると誰もついてこれなくなる」といった声も少なからず聞こえてきます。

たしかに、基準変更に伴いリリースされる遊技機は、今までよりも出玉性能を感じるスペックになっている点は否めない部分はあります。しかし開発者としては、それ以上に、「今までできなかった、またできたとしても非常に制限があったスペックを作ることが容易になった」という部分も含めて、もろ手を挙げて歓迎しています。そんな部分について本日は説明したいと思います。

パチンコやパチスロは遊技規則や解釈基準、自主的な内規や申し合わせ事項等々により、多くの制限があります。これらの内容は時代に合わせてアップデートされる都合上、昔は実現可能だったことが今では実現不可能、もしくは困難になってしまったケースも多数あります。

わかりやすい例が、4号機時代のAタイプがその代表格でしょう。今のジャグラーは大人気ではありますが、獲得玉数はおよそ260枚から280枚程度となっており、4号機時代のAタイプを知る人たちには少し物足りなさを感じることは否めません。そんな昔のAタイプを再現するために、開発者は趣向を凝らし、ATを活用することによって疑似的なAタイプを作ったのは記憶に新しいところでしょう。これにより似たようなスペックを再現することが可能となりましたが、少し違和感が出てしまうのも確かです。

そんな中、今回のボーナストリガーはまさに朗報といえる内容です。昔のAタイプに近いゲーム性やスペックを再現する方法がひとつ増えたことは間違いありません。この「スペックを再現する方法がひとつ増えた」というのが非常に重要なのです。

同じようなスペックや出玉性能、ゲーム性を持った機械ばかりでは、根本的な部分が代わり映えしないため、コンテンツや映像がたとえ変わろうともどうしても飽きがきます。しかし、違う手法を取り入れることで最終的なスペックの印象は似ていても、出玉性能、ゲーム性等々を全く別物として表現が可能になります。また、昔のスペックの再現だけでなく、今までにないスペックやゲーム性を実現することも可能になります。

当然ながら、ユーザーに受け入れられないなら、それらの新仕様に関しては開発しなければよいのです。あくまでも開発の選択肢が増えることなので、ユーザーに楽しんでもらえる出玉性能やゲーム性等々が拡充する部分が重要なのです。

また、開発者の創意工夫によっては、新仕様発表時には想定もしなかった新しい使い方を生み出すことが可能になります。これは非常に有名な話ですが、あのゲームボーイ(任天堂)の開発中に、ゲームボーイの生みの親である横井軍平氏が「この先に面白い使用方法ができるだろう」という思いで、コストアップになっても通信機能の搭載を最終決定したそうです。搭載当初は効果的な使い方ができなかったわけですが、ゲームボーイのリリースから7年後に発売された「ポケットモンスター赤・緑」は、その通信機能なくしては大ヒットしなかったともいわれています。

このように、やれることが増えるというのは、「無限の可能性を秘めている」と言っては少し言い過ぎでしょうか(笑)。少なくとも、歓迎すべきことであるのは間違いありません。

■ 荒井孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役。パチンコメーカーで営業、開発を歴任後、2017年に遊技機開発会社チャンスメイトを設立。パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受けている。

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