動画クリエイターの視点
SNSで来店動機を生み出すヒントはパチンコならではのゲーム性×笑い
文 = 橋本大志(動画クリエイター)/text by Hashimoto Hiroshi
2025年、SNSマーケティングの中心にあるのは「共感」と「体験の共有」だ。中でもTikTokやYouTubeShortsののようなショート動画プラットフォームは、短く濃いインパクトで視聴者の記憶に残り、リアルな来店動機を生み出す場として機能している。その最前線に立っているのが、TikTokで人気の焼肉店「ぷるしん」(@yakiniku_purushin)だ。
同店の代表的な企画「笑わなかったら無料になる焼肉屋」は、まさにSNS時代に最適化された体験コンテンツである。ルールはシンプル。店員が全力でギャグを披露し、客が笑わなければ焼肉が無料になるというものだ。一見エンタメ寄りの遊びに見えるが、実はこの企画には高度なマーケティングロジックが隠されている。
第一に、エンタメとサービスの融合だ。この企画は、「焼肉を食べに行く」という行動に、「参加型のお笑い体験」という付加価値を与えている。笑う・笑わないという結果にかかわらず、客は特別な“思い出”を持ち帰る。それはただ美味しいだけの焼肉店ではなく、「話題になる店」としての記憶を形成する。SNSでの拡散を狙うには、この“体験価値”こそが最大の武器となる。
第二に、視聴者にとって分かりやすく、巻き込みやすい構造である点も見逃せない。「笑ったら負け」「失敗すれば無料」というシンプルで誰にでも理解できるルールは、動画視聴者にも「自分だったらどうなる?」という想像を促し、視聴体験をインタラクティブにする。これがコメントやフォロー、シェアといったSNS上での行動につながり、結果的に来店を後押ししている。
パチンコ店がこれを応用するにはどうすればよいか。ポイントは「勝ち・負け」「運・偶然」といったパチンコならではのゲーム性と、「笑い」や「体験」といったエンタメ性を融合させることだ。
勝負と笑いが交差する企画は、動画映えしやすく、実際に店舗での体験としてもユニークさを感じてもらえる。
さらに、ぷるしん同様にスタッフの個性を前面に出すことがカギだ無名の店でも、元気で面白いスタッフが登場することで、フォロワーとの距離感が一気に縮まる。店員がキャラクターとしてSNSに登場することで、ユーザーは「この人に会ってみたい」「この空気を体感したい」と感じる。これは従来の広告では得られなかった“来店理由”だ。
「笑わなかったら無料になる焼肉屋」は、単なる販促キャンペーンではなく、「リアルな体験×動画×人間味」が三位一体となった集客装置である。この構造を理解し、自店のコンテンツに落とし込むことができれば、パチンコ店もまた、S N S 上で「行ってみたい場所」として認識されるようになるはずだ。
■ 橋本大志京都大学大学院農学研究科修了。バークレイズ証券を経て、「低迷するパチスロ業界を再び盛り上げる」というビジョンのもと2020年株式会社TripleHを創業。自身もイ
ンフルエンサーとして活動。日々激動するSNSトレンドを分析力と発想力で攻略。自身が企画、製作に携わった動画の多くが100万回再生を超える。
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