遊技機スペックのトレンド予想
令和7年7月7日登場!「LT3.0プラス」の「プラス」ってなに?
文 = 鈴木政博(遊技産業研究所代表取締役・遊技日本発行人)/text by Suzuki Masahiro
LT3.0プラスについて
2025年1月28日、業界13団体共催による「パチンコ・パチスロ産業賀詞交歓会」にて日工組の盧昇副理事長が「今年はLT3.0プラスと銘打ち、さらにゲーム性を拡充した内容をリリースする予定」と述べてから約2ヶ月あまり。日工組として4月8日、都内中央区の日工組会議室において、令和7年7月7日から導入開始となる「LT(ラッキートリガー)3.0プラス」について記者発表会を開催した。
記者発表会で盧昇副理事長はLT3.0プラスについて、「e機におけるLT」と「P機とe機の時短の使い方」の2点が大きく進化することを強調し、「e機に特化して、より魅力的な出玉の波の創造」が可能となったことに加え「飛躍的にゲーム性を向上させるLT3.0の“プラスα”の時短機能」についても説明。「いわゆるRUSH中や通常中において、出玉だけではない、より楽しい遊技の時間を提供できるもの」と話したうえで高射幸化が進む現状にも懸念を示し、ライトミドル帯の活性化を含め、射幸性に頼ることなく市場のラインナップを豊かにしたいとの考えを示した。
導入される「LT3.0」の大きな変更点は二つ。一つは前回の本誌SPRING号で記載させていただいた「e機限定でLT条件を緩和」した点だ。具体的にはLTによる獲得出玉が占める割合を全体の2/3から4/5以下へ、初当たりを含む獲得出玉期待値を3,200個未満から6,400個未満へ緩和した。これによりLT突入率が大幅にアップし「図柄揃いしない大当たり」いわゆる「チャージ当たり」の搭載は不要となるなど、遊技仕様の自由度が向上する。
二つ目は「時短の性能仕様変更」だ。こちらはe機・P機共通のものだが、今回はこの「プラス」部分についての詳細を解説したい。
LT3.0プラスの「プラス」とは何か?
前回は「LT2.0」と名付けられていたものが、今回は「LT3.0」ではなく「LT3.0プラス」と呼称している。ではこの「プラス」とはどんな部分なのか。これまでは4つの状態、つまり「低確率・非電サポ中(通常時)」「高確率・非電サポ中(潜伏確変中)」「低確率・電サポ中(時短中)」「高確率・電サポ中(確変中)」の状態により、そこで引いた大当たりについて時短性能を変えることが可能だった。ただし「電サポ性能」自体については、今までも様々な性能のものを複数設けることができた。例えば時短中だが、電チューの開放秒数が短すぎて実際には全く電チューが拾わないもの(いわゆる微時短)や、電チューが拾うものについても「開放秒数が長い・短い」など多数の電サポ状態が搭載されている遊技機は今までにも多数ある。今回の内規緩和で「入賞容易状態(電サポ中)」が複数ある場合、その状態ごとに時短性能を変化させることが認められることになった。
これまでも「電チューが玉を拾う時短中」について、その開放秒数などをコンマ数秒変化させることにより、見た目は同じ時短中でも内部的には「時短1」「時短2」「時短3」・・・と複数の状態を設けること自体はできたが、今まではこれら全て「時短中」として一括りにする必要があった。今回はこれらを「別状態」としてカウントすることができる。例えば「時短1」で大当たりを引いたら時短100回、「時短2」なら時短120回、「時短3」なら時短140回・・・といった具合だ。またいわゆる「微時短中」の性能も複数設けることができるため、これによりパチスロの「低確中」「高確中」「超高確中」などの状態を通常時においても設けることも可能となる。
LT3.0プラスのスペック例
ここでは、日工組が記者発表会で示したスペック例をご説明したい。

まず、【表1】について。こちらは過去にも、西陣(ソフィア製)の「PハイスクールD×D 真紅」や、西陣(エース電研製)「P刀使ノ巫女」などでも採用されていた「微時短を使ったCZ(チャンスゾーン)」の応用例となる。前述した通り、これまでは「微時短(玉を拾わない時短)」は複数種類あっても全て「電サポ中」と一括りにする必要があったが、今回はこれらを「別状態」としてカウントできるため、通常左打ち時においても微時短の種類ごとに「低確中」「高確中」「超高確中」といった、パチスロのような様々な状態を作り出すことができるようになる。また、例えば非電サポ中なら「3,000個×70%ループ」の仕様だったものを、CZ中にRUSH大当たりを引くことで「1,000個×90%ループ仕様」へと性能を変えることも可能だ。これは、電チューに「1個だけ拾う開放パターン」や「3個拾って保留が2個つく開放パターン」など時短性能の違いにより結果として実現できるようになる。
また、「右打ち中」においても、今までは「通常RUSH」「上位RUSH(LT)」と2種類程度しか設けることが難しかったものが、【表2】のように、今後は多数の状態を搭載することが可能となる。
例えば、大当たりするごとにRUSH中の継続率を徐々にアップさせるだけでなく、同じく開放パターンを変えることで、継続率は変えないまま大当たり出玉自体を「1,000個→2,000個→3,000個」とアップしていくものも考えられる。またRUSH性能だけでなく、大当たりするごとにST機とループ機の性能が入れ替わるなど多種多様のゲーム性にも期待できる。
7月7日より導入が開始される予定の「LT3.0プラス」については、e機の「高射幸化」に偏る懸念も言われているが、一方で「ゲーム性」が飛躍的に広がる点にも大いに注目したい。
■ 鈴木政博≪遊技産業研究所代表取締役・遊技日本発行人≫
大学卒業後にホール経営企業管理部、遊技コンサル会社を経て現在に至る。遊技機開発アドバイザーとして活動しながら2021年7月より業界誌「遊技日本」発行人を兼務。
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