輝くキーパーソン 遠回りが紡いだ、未来の組織論
株式会社タツミコーポレーション経営管理部 部長 兼 アミューズメント事業部 部長
東原靖浩Higashihara Yasuhiro
遠回りが紡いだ、未来の組織論

時流や社会変化を柔軟に捉え、多角的な事業を展開するタツミコーポレーションは
多様な人材が活躍できる育成プラットフォームを構築している。
その中核を担うのが、東原靖浩氏だ。今回、スタッフが誇りを持って働ける組織づくりに
情熱を注ぐ東原氏の挑戦の軌跡と、それを傍で見守り、共に歩む同期の盟友の想いに迫る。
「楽しさ」が導いたキャリアの原点と未来の指針
パチンコ業界で働くようになったそもそものきっかけは、「楽しかった」というシンプルな感情でした。学生時代に友人に誘われて初めてパチンコで遊んでみたのですが、その時のことは今でも鮮明に覚えています。世間に流布していたパチンコ店のネガティブなイメージを知ってはいましたが、実際に足を運んで感じたことは、「店内は綺麗だし、スタッフさんの応対は感じ良いし、お客様は主婦やサラリーマンなど、ごく普通の方々ばかりで、全然違うじゃないか」ということ。自分の目で見て、触れて感じることの重要性を痛感しました。
遊びに行く頻度は増え、学費を稼ぐためのアルバイト先も、パチンコ店を選ぶほど傾倒していきました。大学卒業後の就職先として、真っ先に候補に浮かんだのが、当時アルバイトをしていた弊社です。スタッフの皆さんが生き生きと働いている姿を見て、この会社なら、楽しみながら成長を目指せるのではないか、と思ったのです。
入社後は、パチンコ事業の店舗に配属され、ホール現場の業務を経験。5年目に主任へ昇格しますが、このタイミングで人材開発の部署へ異動となりました。約1年半、新人研修や既存社員のスキルアップをサポートする業務に携わったのですが、ホール現場で感じていた課題解決に取り組むとともに、人に寄り添い、その成長に貢献できることに喜びを見出しました。これらパチンコ事業での経験が私のキャリアの方向性を決定づけましたが、その後に待っていたのは、大きな事業転換の機会でした。

飲食事業で開眼商いの原点と経営者意識
大きな転機になったのが飲食事業への異動です。当時の社長から直々に声をかけていただき、新規事業として立ち上げた油そば店の店長として約1年半、店舗運営の全てを経験しました。これはとても刺激的な経験でした。
パチンコ事業と飲食事業では、動く金額の規模が全く異なります。油そば一杯数百円から千円程度ですから、店舗設備、サービス、食材、オペレーション、販促すべてにおいて徹底的にロスの削減に努めなければ、すぐに経営が立ち行かなくなると学びました。原価計算など、細かな数字を緻密に管理すると同時に、コストパフォーマンスを追求する習慣を身につける必要がありました。
もうひとつ、大きな違いだと感じたのは、お客様からの「ありがとう」という言葉でした。パチンコ事業の現場では、お客様から感謝の言葉を直接いただく機会はそう多くはなかったのですが、飲食事業の現場では、提供したサービス(油そば)を「美味しい!」と笑顔で食べてくださり、「ごちそうさま、ありがとう」と感謝の言葉を直接、毎日いただけたのです。
この経験を通じて、「お客様に喜んでいただくこと」という商売の原点に改めて気づかされ、深く考えるようになりました。その一方で、パチンコ事業の現場を離れていたからこそ、資金や売上の大きいパチンコ事業のダイナミックさを再認識しました。飲食事業での経験は、私の視野を広げ、多角的な視点から物事を捉える力を養ってくれたと実感しています。

「遠回り」で得た視点結束力の強い組織の実現へ
パチンコ事業の現場を離れて約3年。組織変更のタイミングで上司から「今後、何に取り組みたいか?」と問われたとき、迷わず「もう一度、パチンコ事業で頑張りたいです」と答えました。飲食事業で学び経験したことを、パチンコ事業の運営管理に活かしたいと考えたからです。副店長、店長、エリア長のポストを経て現在にいたるまで、原価やコスト意識の徹底、そして緻密な管理手法を現場に浸透させてきました。
そして、いかにして「ありがとう」の言葉を多くのお客様から直接いただけるようになれるか。パチンコ事業に戻って見えたのは、瞬間最大風速的な「点」による集客施策が、真のファン化にどれだけ結びついているのだろうか、という疑問でした。お客様が投じる「金額に見合う」、もしくは「金額以上」の価値を提供しなければ信用や信頼は得られないのがビジネスの本質です。そう考えた結果、遊技結果に左右されない、遊技プロセスを楽しんでいただける運営手法や再来店動機につながる付加価値を中長期的な視点で醸成させる必要があるのではないかと。以来、試行錯誤の頻度と継続性を高め、今もなお挑戦しています。私はプライベートでは競馬など公営ギャンブルもやりますが、仕事ではコツコツ、地道がモットーで、一攫千金は狙わないタイプです(笑)。これは、現在のアミューズメント事業部のスタンスにもなっています。
また、今の私は経営と現場の潤滑油としての役割も担っています。組織と人があるべき方向に歩む、道を整えることです。中長期で目指すのは「結束力の強い組織」とすることですが、そのためにも、社員ひとりひとりが安心して長く勤められる制度設計を進めています。将来ありたい姿や目指すタイミングは人それぞれ異なるということを念頭に置き、会社の将来性を示し、希望を持って働ける環境を築くこと。私が経験させていただいたように、やってみたいことや興味があることに「挑戦したい」と誰もがいえる、オープンで公平な機会を創出することは特に注力しています。
また、「タツミで働けて良かった」と、心理的な安全性を担保できるような雰囲気づくりも大切にしています。例えば、まだ企画段階ではありますが、運動会やBBQ大会といった社内イベントは、スタッフ間のコミュニケーションを活性化させ、会社への帰属意識を高めるきっかけになると考えています。このような地道な活動を通じて、互いに助け合い、高め合えるような、温かい組織風土を醸成させたいのです。
顕木常務に聞く キーパーソン東原氏

「大器晩成」を体現した、盟友の真摯な仕事への姿勢
東原とは、2010年に入社した同期であり、苦楽を共にしてきた盟友です。共に店舗で汗を流し、時にはぶつかり合いながらも、お互いを高め合ってきた大切な存在といえます。
当時を振り返ると、彼は派手さはないものの、仕事に対して驚くほど真摯でした。それは今も変わりません。部署を異動して、さまざまな体験を経て、着実に実績を積み重ね、存在感を高めてきた努力家です。「大器晩成」とも表現できるでしょうか。まさに「プロパー社員」の鑑のような存在であり、会社への帰属意識が極めて高い人物で、現在では特に組織や人材育成に対して並々ならぬ情熱を持っています。
組織風土改革への挑戦「ワンチーム」への変革
彼の最も印象的なエピソードは、会社全体の組織風土を変えることへの挑戦です。以前の弊社は、将来的に独立を支援するような雰囲気が強くありました。そのため、自然と中堅社員の独立志向が強くなり、会社を辞めて新たなことに挑戦していくというケースが目立っていました。それ自体は否定すべきことではありませんが、「自分も独立しなければならないのか」とプレッシャーを感じる社員もいましたし、焦って無計画に退職をする社員もいました。
彼はこのままでは会社が弱体化すると考え、「無理に辞める必要はない」「ここで自分の将来を探してもよいのだ」というメッセージを発信し、会社への帰属意識を高める必要があると主張したのです。従業員の家族も巻き込んだ社内イベントを企画するなど、社員間の絆を深めるための取り組みも積極的に推進しました。彼の情熱に触れることで、「会社全体でひとつのチーム」と想うようになった社員は確実に増えています。
本社と現場を繋ぐ、双方向リーダーシップ
彼がキーパーソンである最大の理由は、社員の気持ちを理解して、会社と社員の壁をなくそうと奮闘している点にあります。彼は現場と本社の双方の意図を理解できる貴重な存在です。現場で働く社員の意見を本社に伝え、本社の意図を現場に分かりやすく説明する。その橋渡し役を、誰よりも誠実に、そして熱心に務めてくれます。現場の悩みや不満にも真摯に耳を傾け、それを改善するための具体的な施策を提案してくれるので、現場の社員からの信頼も非常に厚いです。
会社のため、そして社員の将来のために、時には厳しい決断も下さなければならない立場です。しかし、そこには常に社員への愛と、会社への深い愛着があります。彼は単なる営業の数字を追うだけでなく、社員ひとりひとりの成長と、会社全体の永続的な発展を真剣に考えています。彼が経営管理部の部長を兼任しているのは、まさに「人」と「数字」の両面から、この会社を成長させたいという強い想いがあるからです。

結束力の強化が未来を変える第一歩となる
弊社が掲げる「結束力の強い組織」という目標は、広い視点でみれば、業界全体に影響を及ぼし得る重要な課題だと捉えています。商圏で競合する店舗も同業企業も「業界」という大きな括りで言えば、同じ組織といえるはずで、自社が社会の道理に外れるような誤った判断や行動をすれば、業界全体のイメージ低下を招くことになるわけですから。特に人材確保という点において、常に不利な状況のなか、自ら人手不足を加速させることにもなりかねません。
弊社に興味を持ってくれた若い人たちが「パチンコ業界も悪くない」「パチンコ業界は面白い」と感じていただけるように、これからもタツミコーポレーションとして盛り上げていきたいですね。
コメント