遊技機スペックのトレンド予想
「LT3.0プラス」の「プラス」でできること
文 = 鈴木政博(遊技産業研究所代表取締役・遊技日本発行人)/text by Suzuki Masahiro
LT3.0プラスについて
令和7 年7月7日より開店、設置が始まった「LT3.0プラス」機。当日は「LT3.0プラス」への期待感だけでなく「777」と7が3つ並ぶ希少な日であることも相まって、全国のホールでは平日にもかかわらず全体としておおむね高い稼働を記録したようだ。こうしたゾロ目の日は今まで「パチスロ」の稼働がアップする傾向が強かったが、パチンコでも稼働の高まりを見せたのは吉報だ。
さて、前回は日工組が4月8日に開催した「LT(ラッキートリガー)3.0プラス」記者発表会にて「今後の実現可能なスペック例」として示された「CASE_1 CZで広がるゲーム性」を中心に、「CASE_2多彩に変化するRUSH性能」として「当たれば当たるほど継続率がアップ!」という、LT3.0プラスの「プラス」部分において可能となるゲーム性を説明させていただいた。
今回は、記者会見でも口頭で触れていた「大当たりする毎にST機とループ機の性能が入れ替わる」ものや「大当たり出玉ALL 1,000個がALL 3,000個へ変貌する」といった新たな機能について、モデルスペックを提示しながらその実現についての詳細な方法を解説したい。
「LT3.0プラス」の「プラス」で実現できること
導入された「LT3.0」についておさらいすると、大きな変更点は2つ。1つめは「e機限定でLT条件を緩和」した点。具体的にはLTによる獲得出玉が占める割合を全体の2/3から4/5以下へ、初当たりを含む獲得出玉期待値を3,200個未満から6,400個未満へ緩和した。そして2つめが「時短の性能仕様変更」で、こちらが「プラス」部分だ。これまでは「低確率or高確率」「非電サポ中or電サポ中」についてのみ、そこで引いた大当たり後の時短性能を変化させることができた。
結果として4つの状態、つまり「低確率・非電サポ中(通常時)」「高確率・非電サポ中(潜伏確変中)」「低確率・電サポ中(時短中)」「高確率・電サポ中(確変中)」の状態で、そこで引いた大当たり後の時短性能を変えることが可能だった。今回の内規緩和で「入賞容易状態(電サポ中)」が複数ある場合、その状態ごとに最大12種類まで時短性能を変化させることが認められた。今までこれら全て「時短中」として一括りにする必要があったものを、「別状態」としてカウントできるようになった点が大きい。
「LT3.0プラス」の新たなモデルスペック
それでは今回この「プラス」において「大当たりする毎にSTタイプとループタイプの性能が入れ替わる」ものや「大当たり出玉ALL 1,500個がALL 3,000個へ変貌する」といった新たな機能について実現できるものを考えてみたい。
まずは「STタイプからループタイプへ」について。これは「一種+二種」タイプであれば割と簡単にイメージできる。例えば、右打ち時の実質大当たり確率が1/80とすれば「時短100回」であれば継続率約72%のSTタイプとなる。しかし、別の状態においては「時短10,000回」として、大当たり終了後は「70%は時短10,000回」「30%は時短0回」とすれば、継続率70%のループタイプになるわけだ。
では、「大当たり出玉ALL 1,500個がALL 3,000個へ」はどうか。こちらは、右打ち中は電チューが拾いさえすれば必ず小当たりし、V入賞して大当たりとなる「普図STタイプ」であれば割と容易に実現可能だ。普図が当たれば電チューが開放するが、ある状態では「必ず1個しか拾わないショート開放」とすれば、大当たり時はALL 1,500個となるが、別の状態では「必ず2個拾うロング開放」とすれば、当該と保留1個で2回大当たりするため、結果として大当たり時はALL 3,000個となる。
さて、以下がそのモデルスペック機だ。種別タイプは「一種+二種」で、右打ち中は打ち出しさえすれば必ず小当たりからV入賞して大当たりとなる「普図ST」の仕様を採用した。
従来は、このタイプには確変がないため「電サポ中or非電サポ中」の2種類の状態しかなかったため「電サポ中」に引いた大当たり後の時短性能は、1つに限定されていた。しかし、今回の「プラス」部分の緩和により「電サポ中」に引いた大当たり後の時短性能も「時短A」中に引いた場合、「時短B」中に引いた場合・・・と、状態ごとに全て別カウントと見なし別々の時短性能にすることができる。
「プラス」で実現できるモデルスペック機

ヘソ初当たり時は1,000個獲得後、50%は「時短(時短A)」へ、残り50%は「RUSH(時短B)」へ移行する。もちろん「RUSH突入」の方が嬉しいのは確かで「時短(時短A)」中に再度大当たりを引ける可能性は約33.3%しかない。一方で「RUSH(時短B)」中は68.5%の期待値で再度大当たりを引ける。
しかし、ここで時短性能に目を向けると、「時短(時短A)」中に大当たりした場合は、電チューが玉3個を一気に拾うロング開放(1,000個×3=3,000個大当たり)となるばかりでなく、その大当たり後は「LT」へ直接移行する。一方「RUSH(時短B)」中の大当たりは、電チューが1個しか拾わないショート開放であり大当たり出玉は1,000個のみ。しかも大当たり後は「上位RUSH(時短C)」へは移行するものの、LTには移行しない。
「上位R U S H( 時短C )」中の大当たりは電チューが2個拾うミドル開放(1,000個×2=2,000個大当たり)で、ここでの大当たり後は「LT」へ移行する。「L T( 時短D )」中は、電サポ回数が10,000回となり実質次回確定のループタイプへ変化を遂げる。次回大当たりの68.5%は再度電サポ10,000回、残り31.5%を引くと時短0回となりL Tは終了するが、この間は全てロング開放で「ALL3,000個大当たり」となるため、LT中の期待出玉は9,520個と、LT上限9,600個ギリギリの設定となっている。
このように、STタイプがループタイプへ変貌したり、また大当たり出玉が実質1 , 0 0 0個だったり2,000個だったり3,000個だったりと、状態によってその仕様が大きく変化することが可能となった。またこのスペックのように、初当りが時短であってもガッカリ感の少ない仕様も考えられる。今後も各社の様々なアイデアによって、より多様なゲーム性が飛躍的に広がっていくことに期待したい。
■ 鈴木政博≪遊技産業研究所代表取締役・遊技日本発行人≫
大学卒業後にホール経営企業管理部、遊技コンサル会社を経て現在に至る。遊技機開発アドバイザーとして活動しながら2021年7月より業界誌「遊技日本」発行人を兼務。
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