関西・関東に「アミューズ」「ドキわくランド」「デ・マッセ」など26店舗を展開するアミューズグループ。業界のネガティブな印象や人材課題に対し、「理念共感」でグループ組織を融合させ、エンゲージメントを向上。現場主導のボトムアップ型育成で、多様化する価値観に対応し、業界変革を目指す。 取材=パック・エックス
若手採用を変えるポジティブな認知戦略
現代のパチンコ店とかけ離れた、旧時代のパチンコ店のイメージがいまだ根強いという点が業界の課題と感じています。過去に一部でネガティブな情報が広まった経緯もありますし、遊技人口の減少が人手不足に影響していることも否定できません。現在の業界の健全化や、当グループの積極的な取り組みをわかりやすく説明するとご理解いただけることからも、ポジティブな内容について認知を高める地道な活動は、今後も重要になってくるはずです。
一方で、SNSを中心としたデジタルツールや、画像・動画を用いたビジュアルコミュニケーションが主流の現代においては、魅せ方や伝え方によって、パチンコ店でのリアル体験をせずとも興味関心を持ってもらえる可能性があると感じています。実際に、当グループでは、遊技経験や入店経験のない若い人材の採用割合は年々高まっています。

アミューズグループ 株式会社DAYブレイク執行役員 杉森茂浩 統括部長
イメージアップ戦略と理念共感の組織づくり
対外的なブランディング、イメージアップ戦略として、プロ野球チームや海外サッカーチームをはじめとしたスポンサー契約や地域支援を積極的に行っています。直近では、業界の社会的な存在意義を示すことを目的に、関西・大阪万博でブースを出展し、業界や当グループの社会貢献活動を紹介しました。「カッコイイ、カワイイ」、「楽しそう、面白そう」といったイメージを視覚や聴覚に訴えるプロモーションの創意工夫は、新たなファン獲得と同時に、多様な人材と巡り合うための演出でもあると捉えています。
採用においては、理念やビジョンの共感を大切にしています。理念への共感がなければ定着は難しいと考えるため、会社はそれを具体的に表現し、具現化する努力を重ねています。社会貢献活動や多様性に合わせた活動を展開し、「他社とは違ったビジョンを持っている」「業界を変えていこう」という強い想いを伝えているのです。
また、M&Aにより統合された3社の人事制度をひとつに統合しました。賃金テーブルや勤務時間、休日など多様な制度が存在していたため、これらを含め、2021年3月から約4年の月日をかけて丁寧に「融合」の形を育んできました。当グループの文化や理念を体感的に理解してもらう期間を設け、各法人の良いところを取り入れながら進めています。
この「融合」の過程、M&A当初から先代社長をはじめ、現社長、幹部の方々に本当に気を遣っていただきました。一度もM&Aという単語は使わず、「新しい家族」として私たちを迎え入れてくださったのです。
皆様に礼儀礼節を尽くしていただけたことは、グループが理念に掲げている「感謝」が、組織全体に深く体現されている証だと感じています。
「失敗を財産」と評価して「挑戦」するマインドを育む
当グループでは毎年、賃金や福利厚生の見直しと、年2回の従業員アンケートによる各制度やルールの改定を行っていますが、エンゲージメントやロイヤリティを高めるうえで、特に大切にしていることは、従業員が経営トップの夢や壮大なビジョンに触れる機会を設けることです。トップが夢やビジョンを語り、熱量高く共有することが、最もインパクトがあり感情に訴えることができます。
そして、理念が身近な存在であることを体感できる制度の運用は、形骸化させないための重要な取り組みのひとつです。お客様に喜ばれた行動や取り組みを共有するのですが、自分のことだけではなく、仲間の素晴らしいエピソードを報告することも表彰のポイントとなる仕組みになっており、他者を認め合う組織文化を育んでいます。
また、「この失敗は成功につながる会社の財産だ」と判断したものであれば、失敗事例も共有し、表彰の対象としています。これは「失敗したら評価されない」という認識を変革し、「挑戦」するマインドを育むためです。この表彰制度は、旧法人制度のよい部分を採用した、「融合」の成功例のひとつでもあります。

すぎもり・しげひろ 2004年、株式会社悠煇に入社。店舗勤務を経て本部勤務へ。 2021年に同社のアミューズグループ入りに伴い、統括部長として営業推進と人事領域を兼務。2024年に同グループが新たに設立した株式会社DAYブレイクの執行役員に就任。
現場の力を活かすボトムアップ育成
パチンコ業界においてもセルフ化は進んでおり、人手不足、採用難が続くなか、業務効率化とサービス品質の両立が求められます。しかし、人員配置において「適正人員」という概念は、会社側にとって適正なだけで、お客様に対しサービス品質が低下したと感じられては本末転倒です。このため、当グループでは店舗ごとに「この人数が必要だ」という基準で人数を定め、人員を配置しています。
こうした背景から、当グループは、パチンコ業界や経営環境が目まぐるしく変化する中で、変化に素早く対応できる人材を求めています。キャリアや学歴に関係なく、コミュニケーション能力、提案力、行動力を重視し、現場からのアイデアを経営に活かす、ボトムアップコミュニケーションを実践できる人材を育てていく方針です。
私たちは、パチンコ業界に従事している人が、夢を持って働ける会社を目指しています。
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